ドル全面高も小休止!ドルの戻り売りを一考?
イタリアの政局不安が渦巻く中、依然として再選挙の可能性も高まっていることがユーロの上値の重さに繋がっている。明日発表される2012年第4四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)がマイナス成長になるとの見通しも背景にあるが、今週、ECB理事会が予定されおり、先のドラギECB総裁のハト派的な見解を背景に、一部には利下げの観測まで台頭している。また、一部格付け会社はイタリアの格下げが視野にあるなどの思惑が加味されるなど、総じて、為替相場全般が憶測先行相場と化している。その中、相対的な不透明感から、ユーロドルは節目である1.3000前後で身動きが取りづらい状況に陥っている。
一方、今週は2月の米雇用統計が発表されるが、市場では米景気回復の兆しから雇用増が見込まれている。また、非製造業景況指数も引き続き拡大を示すとの見方が加わるなど、総じて、ドルは主要通貨で底堅い展開が予想される。ただ、投機筋のドルロングの積み上がりもあり、相対的にドルを更に買い戻す動きは停滞気味と言わざるを得ないだろう。
他方、米国が発動した強制歳出削減は法律に基づく歳出削減額は9年間で1兆2000億ドルに及ぶが、このうち850億ドル相当の削減が今会計年度末までに実施される見通しであるが、この自動歳出削減が今年の成長率を0.6ポイント押し下げる要因になると試算しており、ドルを更に買い上がる雰囲気には至っていない。いずれにしても、当面、イタリアの再選挙がらみで、安全性が高いとされる米国債の需要が高まることが予想されるだけに、ドル円並びにユーロも直近のレンジ幅で逆張り待機で臨むことが一考であろう。