ドル全面高も買われすぎの兆し!戻り売りに妙味?
オバマ米大統領は米強制歳出削減発動の期限に関して、議会指導者と協議をしたものの、合意には至らず、歳出削減の期限には間に合わない情勢であるが、オバマ大統領は発動後も引き続き歩み寄りを模索すると述べたことが好感され、総じて、ドルを買い戻す動きが優勢になっている。
一方、ユーロドルは、ユーロ圏の2月の製造業景気指数が活動縮小を示したほか、失業率が過去最悪を更新、ユーロ域内経済のリセッション(景気後退)の兆候が見られたことが嫌気される格好で、欧州中央銀行(ECB)による利下げ観測が強まっている。また、イタリア中道左派連合を率いるベルサニ氏はベルルスコーニ氏の中道右派と大連立を組むことはないとの考えを示したことを受けて、ユーロは対ドルで2カ月ぶりに一時1.30ドルを割り込むなど、総じて、上値の重い展開を強いられている。
他方、ドル円は、欧州財政危機が再燃するとの観測を受けて、一時、円を買い戻す動きが散見されたが、次期日銀総裁人事で無制限の金融緩和策を唱えている黒田氏にほぼ決定したことを受けて、市場のアベノミクスへの期待感がより一層強まっている。相対的に、ドル円の下値は限定的との見方が反映され、ドル円は93円台半ばまで急反発している。ただ、チャート上や為替相場の原則論からは、ややドルが買われすぎの傾向があり、もう一段のドル上昇局面では戻り売りを一考することが得策であろう。