視界不良!戻り売買に専念?
イタリアの総選挙の行き詰まりを背景に、ユーロ危機が再燃しかねないとの報道を受けて、南欧諸国の国債利回りと独国債利回りのスプレッドが拡大するなど、リスク回避の動きが強まっている。総じて、金融市場全般が揺さぶられる中、為替市場も不安定な動きで終始しているが、市場の焦点は円相場からユーロ相場に移行しているものの、両通貨ともに、ポジション解消売りが優先されており、上値の重い展開を強いられている。
一方、バーナンキ議長は政策目標に向けた進展に極めて緩和的な金融政策必要とした上、質疑応答で日銀のデフレ脱却への取り組みを支持、また、FRBは通貨安戦争には加担していないと述べる中、日銀は経済に焦点をあてているのであり、通貨安ではない旨を指摘したことを受けて、ドル円の下値は限定的になっている。その後、米新築住宅販売や消費者信頼感指数が予想を上回ったことが好感され、NYダウが上昇したことを受けて、やや円売りが加速してはいるが、米株価が相対的に伸び悩んだことから、ドル円は92円前後で試行錯誤が続いている。
他方、ユーロドルは一時心理的節目である1.3000まで接近する場面もあったが、辛うじて、ポジション調整買いに支えられている。ただ、イタリアの首相が誰になったとしても、ねじれ国会を背景とした政局不安は避けられない状況にあり、引き続き上値の重い展開が強いられている。引き続き、戻り売りを優先した売買シナリオが一考であろう。