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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

イタリア政局不安に過剰反応?

イタリアの政局不安が伝わる中、イタリア総選挙の出口調査によれば、上下院とも改革派のベルサニ氏率いる中道左派が優勢と報じられていたが、上院ではベルルスコーニ氏率いる中道右派が優勢との報道を受けて、イタリアの政局不安を背景に、より一層混迷をきたしている。市場はユーロの見切り売りが加速する中、ユーロドルは1.3300前後から1.3050付近まで急落するなど、相場全般がポジション解消売りを迫られており、円相場全般にも波及している。

一方、ドル円は日銀人事で黒田元財務官が総裁候補と報じられたことや、日米首脳会談による円安期待と共に、週明けの円相場は94円台で始まったものの、利益確定売りに圧される格好で上値の重さが意識されてはいたが、ユーロ圏の情勢悪化でユーロ円の見切売りが顕著となり、リスク回避の動きが強まり、ドル円は一時91円割れまで急落するなど様変わりの様相を呈している。

他方、昨日の日経平均株価も大幅高で引けているものの、イタリア総選挙を通じた財政情勢の悪化が懸念される中、欧州株式ならびにNYダウが大幅安となっており、本日の日本株も全面安の展開が予想されるだけに、円買いおよびドル買いの動きが強まる可能性が高いが、既に、ある程度損失確定売りが一巡していることもあり、更に円を買い戻す動きは限定的と見なす方が無難であろう。
いずれにしても、市場参加者は為替市場の突発的な動きに翻弄されており、ストップロスの重要性を思い知らされた状況である。改めて、利食い並びに損切りシナリオを配置したポジショニングが求められているが、本日は、レンジ幅を拡大し、少な目のポジションで注視しながら、戻り売買に徹することが一考であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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