ドル円膠着度強まる!ユーロ不安定な上昇局面?
特筆すべき材料のない中、麻生財務相が日本政府は外債を購入する意向はないと述べたことが手掛かりとなり、円買いがやや進行しているものの、先に安部首相は日銀が進める金融緩和策の手段について、外債購入の可能性を否定していないため、ドル円は93円台半ば前後で膠着度を強めている。また、次期日銀総裁人事が難航していることなどが重なり、市場参加者はどちらにもポジションを傾けづらい状況に直面している。
一方、休場明けのNYダウは年初来高値を更新していることから、本日も株価上昇を背景に円安期待は強まってはいるが、先の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の協議後に発表した共同声明に、競争目的のために為替レートを目標にしないと明記されており、また、相関加重通貨指数においては、先進国の中でも円相場は過去3ヶ月で15%も下落している現状を踏まえると、すでに円安誘導が終焉を迎えつつあるとの見方も少なくないが、当面、ドル円は95円前後が重石となり、92.50〜94.50程度のレンジ幅で推移する可能性が高いだろう。
他方、ユーロドルは、方向感に乏しい中、2月の独景気期待指数は前月から大幅に上昇し、2010年4月以来約3年ぶりの高水準となり、欧州株価が3週間ぶりの高値圏で推移するなど買戻しの動きが優先されている。また、英国大手銀行の格下げ問題が浮上したことなどが懸念され、短期筋はポンド売りユーロ買いに傾斜していることも、ユーロの下支えになっている。ただ、ユーロを積極的に買い上げるほどの材料としては不満が残る状況であり、上値は限定的と判断するのが無難であろう。