G20待ちも加速的な円売りに歯止め!ドル円95円が重石?
昨日は目立った経済指標もない中、先のG7の緊急共同声明の解釈をめぐって、為替相場は相対的に混沌としている。週末のG20財務相・中央銀行総裁会議の議題として、円相場が取り上げられる公算が高いため、総じて、積極的な円売りは控えざるを得ない相場環境にある。
一方、G20においては、麻生財務相はデフレ脱却に向けた金融および財政政策に取り組んでいることを改めて説明する方針であり、海外勢からは一定の評価と理解が得られるであろうが、反面、世界的な景気低迷下において、日本のみならず、各国は通貨安競争に比重を置いている関係上、日本側としても、今までのように円安を助長する発言は控えざるを得ないだろう。また、一部報道にもあるように、G7声明は円の現行水準への懸念を示すものではなく、円下落のペースに歯止めを掛けることを意図しており、次の節目であるドル円95円台の上値の重さが再認識されている。
他方、ユーロドルも不安定な上下動を繰り返す中、欧州中央銀行(ECB)がユーロ相場の上昇が南欧諸国の輸出競争力を弱め債務危機の悪化につながることを懸念していると報じられたこともあり、ユーロドル1.35台の上値の重さが意識されるなど、相変わらず、神経質な展開を余儀なくされているが、円売りに一服感がある以上、下値は限定的をみなすのが無難であろう。
いずれにしても、各国の要人発言に振り回される中、明日から始まるG20待ちの状況であり、いずれの通貨も積極的にポジションをどちらにも傾けづらい相場環境であり、G20の
結果を見極めるまでは、直近のレンジ幅で逆張り待機で臨む事が一考であろう。