ドル円95円台視野も揺れる円相場!円安容認VS円安批判?
昨日のユーロ圏財務相会合では、ユーロ高に関して、フランス側からは警戒感を強めているが、バイトマン独連銀総裁からはユーロは著しく過大評価されている兆候ないとの発言、ユーロ圏危機は政府によってのみ解決可能であり、中銀には解決できないと主張、為替レートは金融政策においては物価への影響との関連で考慮されるべきであり、ユーロ安志向による為替政策は、加速的なインフレ懸念に繋がるとし、ドイツ側が改めて、現在のユーロの水準に関して許容範囲との姿勢を示したことを受けて、ユーロを買い戻す動きが強まっている。また、ドイツのショイブレ財務相は、為替レートは操作されるべきではないとし、ユーロの為替レートに問題はなないが、他の主要通貨との関係で懸念があると、暗に日本政府の円安誘導を批判しており、今週のG20で議題にあげる可能性は否定していない。
一方、ドル円は今回のG20に参加予定であるブレイナード米財務次官が、G7は異例な状況を除き、市場原理に基づく変動的な為替レートを背景に、日本の成長支援やデフレ脱却に向けた措置を支持する旨を強調、米国は日本を含め、他の加盟国と緊密に連絡とっていると述べたことが好感され、ドル円は92円台から94円台まで上昇を速めている。市場のコンセンサスとしては、来週22日にも開催される日米首脳会談をにらみ、米国がアベノミクスに対して容認姿勢を示し、ある程度の円安を黙認するとの思惑が働き、ドル円を後押ししており、再び、ドル円95円台が視野に入りつつある。
いずれにしても、市場は欧米の為替論議に振り回されている格好であり、ある程度の乱高下を見越した売買シナリオが求められている。