国際収支悪化!ドル円95円台へのステップ?
昨日のECB理事会では予想通りに政策金利は据え置きとなったものの、その後のドラギECB総裁の会見をきっかけにユーロ売りが加速している。
ドラギECB総裁は、ユーロ圏の景気低迷が2013年初めも続く見通しを指摘する中、金融市場のセンチメントは改善しているが、経済指標は今年初期の段階での更なる景気の下振れリスクを示唆したことがユーロ売りを誘発、そして、インフレ率は今後数カ月で2%を下回る水準に鈍化へと相対的にハト派的な見解ではあるが、下振れリスクは通貨高にもあるとも指摘している反面、ユーロ高はユーロ圏への信認の表れでもあり、ユーロの実質実効レートは長期的平均に近い水準であるなど、やや玉虫色の状況にあることは否めない。総合的には、ドイツとフランスに配慮した見解とも解釈できるだろうが、現状のユーロ高には疑問を投げかけているのが本音かもしれない。その他では、中銀預金金利をマイナスにすることについて、理事会の立場はす変わっていない。独連銀総裁が中銀の独立性を懸念しているのは極めて正しく、政策がG20のコンセンサスを反映しない影響を為替に及ぼすのであれば、協議する必要との見解も述べているように、暗に加速的な円安局面を批判しているとも受け取られる。
一方、財務省が発表した12月経常収支は事前予測値1442億円から2641億円へと大幅に悪化したことを受けて、市場のセンチメントは依然として、円安への期待感が強まっている。また、安部政権への期待マインドを踏まえて、引き続き底堅い展開が予想されるため、遅かれ早かれ、ドル円95円台を意識せざるを得ない相場環境にあり、当面、ドル円は戻り買いに専念することが一考であろう。