一喜一憂一巡!戻り売買に専念?
欧州では政局や金融機関の混乱でソブリン債危機が再燃するリスクが高まる中、ユーロは対主要通貨で全面安の様相を呈しているが、ECB政策決定会合が控えている関係上、当面の節目である1.35割れでは下げ止まっているものの、ユーロ独自の買い材料は皆無に近い状況なだけに、買い戻しは限定的と判断するのが無難であろう。
一方、ドル円は、白川日銀の早期辞任報道で円安に振れたが、相対的に利益確定売りが優先されドル円94円台が重石になっている。その中、日本銀行の新総裁に金融緩和に積極的な人材が起用されるとの観測があるものの、現段階では何の根拠もない話題である。一応、デフレ脱却には積極的な金融緩和が必要不可欠であるが、如何に民間企業や個人消費に余剰資金が行き渡るかが問題であり、個人消費を促すほどのシナリオに至るまでは相当の時間を要することが確実視されており、ドル円は95円の上値の重さが再認識されている。当面、92.50〜94.50のレンジ相場と化しつつあり、上記レベルで売買を模索することが一考であろう。
他方、補足的になるが、日本政府のインフレターゲット2%の実現性が問われる中、急激なインフレ志向は一過性の円安に繋がるだろうが、これから控えている消費税の引き上げを踏まえ、過度な円安が原油価格や物価の上昇をもたらし、かえって、消費意欲を後退させる可能性もあり、日本政府主導による日銀の金融政策の舵取りは厳しい局面にある。白川日銀総裁の早期辞任もその現われかもしれない。