ドル円・ユーロに過熱感!表裏一体?
本日の米雇用統計を控える中、前日発表になったADP雇用統計は予想を上回る強い内容となっており、米雇用情勢の改善が見込まれている。今までのADP雇用統計の数値は信頼性に欠ける算出方式であったが、米労働省が発表する米雇用統計と95%程度の相関性がある旨が報じられており、相対的なリスク選考の動きが強まる中、市場はユーロの買戻しと円売りが優先されている。ただ、ドル円は2010年6月以来、ユーロ円は2010年5月以来、そして、ユーロドルは2011年11月18日以来の高値を更新するなど、市場は警戒感を強め
ている。
一方、順調な滑り出しを見せている安倍新政権への期待は強く、当面、デフレ脱却と経済再生計画の一貫である2%のインフレ達成目標に向けて、日銀の協力体制の下に追加緩和策が打ち出されるとの見方が強く、円売りに弾みがついてはいるが、欧米からの円安誘導批判を背景にして、恐る恐る上昇局面とも言える相場環境にあり、ある程度の急落も想定した上での戦略性が求められる。
他方、ユーロ圏ではECBによる利下げ期待も後退する中、2011年に実施した3年物か資金供給オペ(LTRO)資金の早期返済が欧州銀行から始まっているが、予想以上の返済が行われていることが好感され、ユーロの買い戻しを助長させており、下値は限定的になっている。
いずれにしても、為替動向は本日の米雇用統計の動向に委ねられるであろうが、米経済指標における雇用関連は弱かったものの、消費や企業景況感指標は強く、強弱まちまちの段
階であり、当面、レンジ幅を拡大して、逆張り待機で臨むしか妙策はないだろう。