ユーロ不安定な上昇局面?
注目されたFOMC声明では、資産買い入れなどの金融緩和策は継続されているものの、米経済は天候など一時的要因で足踏み状態が続いていると発表されており、一時の楽観的な見方は後退している。NYダウは弱い米GDP(速報値)の結果に圧されて反落するなど、米景気の先行き不安をまじえて、相対的にドル売りが優先されている。
一方、ドル円は日本政府の円安誘導批判が高まる中、GDP発表やFOMC直後は90円台に下落する場面も見られたが、明日の米雇用統計を見極めたいとの思惑から、辛うじて、91円台を堅持している。ただ、ドイツ側からは急ピッチのユーロ高や円安に対して、特に懸念は示されていないものの、フランス当局からはユーロ高に対する懸念が出始めており、モントブール仏生産力再建相は、欧州経済の状況を踏まえると高過ぎるとの認識を示し、ユーロ圏財務相会合で協議する旨を発表している。また、政府高官からも、輸出業者は他国の金融政策の直接的影響を受けるという不利益を被るとの考えを示したうえで、2月のモスクワG20で協議したいと強調しており、ドル円およびユーロ相場の波乱含みの展開が予想される。
他方、ユーロドルは2011年11月以来の高値圏まで上昇を速めているが、相対的に欧州景気の先行き不安がやや後退しているとの観測から、市場はユーロ全面高の様相を呈している。ただ、財政危機問題における目立った進展は見られておらず、不安定な上昇局面と言わざるを得ず、ユーロドル1.35台半ば以上からのロングは自重することが一考であろう。