ドル円90円台足固め!ユーロドル1.35台視野も高値警戒感強まる?
日銀がデフレ脱却に向けて一段の緩和に動くとの観測が強まる中、安倍晋三首相は、2%の物価安定目標などを盛り込んだ政府・日銀の共同声明を発表したことについて、金融政策の手段は日銀に委ねられており、中央銀行としての独立性は揺らいでいないとの認識を示し、また、甘利明経済再生担当相も世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、日本の経済政策はデフレ脱却を目指したものだと述べ、同時に、日本政府が円安誘導しているとの見方を否定している。相対的に円売りへの安堵感から、ドル円はストップロスを巻き込み、一時91円台へと上昇を速めている。
一方、ユーロ圏では、1月のIFO独業況指数が3カ月連続で上昇、2012年6月以来の高水準となったことが好感され、ユーロは他の主要通貨に対して上昇し、対ドルでは11カ月ぶり高値を、対円でも1年9カ月ぶり高値圏で推移している。また、欧州中央銀行(ECB)による期間3年の流動性供給オペ(LTRO)の初回返済予定額が市場予想を上回る1372億ユーロに達したことを受け、一部の銀行で資金繰りが改善しているとの見方が広がり、ユーロドルは1.34台半ばへと上昇し、大きな節目である1.35台が視野に入りつつある。
他方、メルケル独首相は、スペインのラホイ首相が財政状況の健全なユーロ圏諸国が成長刺激策によって、域内が経済的な落ち込みから脱するのを支援すべきだとの見解に反論したことから、短期筋の更なるユーロ買いには警戒感を強めており、当面、1.35台の上値の重さが意識されル相場環境にある。