急ピッチの円売りに違和感!
昨日、西村内閣府副大臣が、円相場について1ドル=100円でも問題は無いとの認識を示したほか、2012年の日本の貿易収支が過去最大の赤字幅を記録したことが材料視され、円売りの流れが続いていたが、米失業保険申請件数が33万件と5年ぶりの低水準となる中、12月の米コンファレンスボード景気先行指数が市場予想を上回るなど強い米経済指標にも支えられ、ドル円は2010年6月以来、約2年半ぶりに90円台半ば近辺まで上昇を速めている。また、ユーロ円も一気に121円台まで上昇するなどストップロスを巻き込み底堅い展開を強いられている。ただ、メルケル独首相が為替操作は敏感な問題になりつつあり、日本に対して懸念を持ってみていると述べているように、他の主要国からも通貨安競争に苦言を呈しているだけに、これからの円売りには慎重を期す必要があるだろう。
一方、ユーロドルは対ドルでも1.34台に迫る勢いであるが、相対的に急ピッチの円売りが助長した側面が多々ある。昨日発表されたドイツやユーロ圏のPMIが予想を上回り、また、レーン欧州委員がユーロは現在過大評価されているとは確信せずと述べ、そして、ソロス氏がユーロは上昇、円は下落する見通しとの見解を示したことが材料視されている。
また、欧州中央銀行(ECB)は来週25日から、長期資金供給オペ(LTRO)の返済予定額や返済予定の銀行数を毎週金曜日に公表する予定であり、内容次第では欧州不安が後退し、ユーロの更なるサポート要因になる可能性もあり、当面、1.35台の大台を意識することも一考であろう。