イベント終了で調整色強まる!直近のレンジで対応?
日銀金融政策決定会合の結果や白川日銀総裁の会見を受けた円買いの流れが一服している中、相対的な材料出尽くし感から、円売りの動きも限定的であり、ドル円は90円台の上値の重さを意識しながら、88.00〜89円のレンジ幅で終始している。昨日もアスムセンECB専務理事が為替相場はECBの政策目標でないとしながら、中銀に対し追加緩和を講じるような公的な圧力が掛かる理由が存在すると、暗に政府・日銀による円安誘導的な金融政策に批判的な見解を示している。
一方、深刻なデフレ経済が進行する中、日本政府と日銀は協力体制を強化し、インフレターゲットを2%に決定し、達成期限は出来るだけ早期としているが、白川日銀総裁は2%の目標達成には相当の努力が必要であると述べている。当面、無制限の追加金融緩和策は株価維持や先行き投資など、それなりに日本経済の活性化に繋がるであろうが、1990年代のバブル時期においても、物価上昇率が2.9%程度であったことを踏まえると、世界的な景気低迷期における今回の2%のインフレターゲットが如何に現実離れをしていると言わざるを得ず、現時点ではインフレターゲットだけが独り歩きしているのが現状かもしれない。
他方、ユーロドルは1.3280近辺まで下押ししたあと、ドラギECB総裁が2012年に暗い雲薄れて、債務危機対処で大きく進展したと述べており、スペイン債やポルトガル債利回りは低下傾向を示したことを交換し、再度1.33台を回復してはいるが、ドル円と同様に1.34台の上値の重さが意識されており、1.3250〜1.3400のレンジ相場の息を脱していない。