無欲の勝利を! 円高期待は早すぎる。
先週、昔お世話になった伯母が永眠した。100歳には届かなかったが99歳と2ヶ月と聞いて、改めて長寿国日本を身近に感じましたね。晩年はボケの症状が激しく、昔の事は一切忘れていたようですが、私の母親が訪ねると、自分の娘は忘れても、何故だか私の母親だけは覚えているらしい。おそらく、人間の頭脳は年老いても、楽しいときの思い出が脳の僅かな隙間に隠してあるのでしょうね。嫌な事は一切思い出したくないのが人間の本能ですね。
しかし、為替で言えば、反対に、悪いことばかりが走馬灯のように想い出すが、儲けた時のストーリーはうろ覚えのケースが多いものです。本当のディーリングは何もかも無心の境地にならないと開眼出来ない。無欲なトレーディングが儲けに繋がるならば、そんな境地になりたいし、ボケにはなりなりたくないし。難しいですね為替も人生も。。。。。。。。。。
●円高要因が、主にゼロ金利解除、人民元切り上げ、貿易不均衡、そして米ドル売り要因である各国の外貨準備高の構成比率などが上げられてはいるが、まだ不確定要因の段階でもあり、過剰な円高期待は持たないほうが賢明であろう。日本政府としても、早まる長期金利上昇と急劇な円高、そして株安ともなれば、再度デフレ懸念を意識せねばならない。実際問題として、後戻りは出来ない日本経済であるが、優柔不断な日本政府としては、ゼロ金利解除の準備は出来ているが、実際の利上げ局面には、米国の最終的な容認が必要なのかもしれない。
円高再燃でも何も出来ないのが日本政府でもあり、特に人民元が絡んだ円高局面では、日銀の介入も後手後手に回る公算が高いだけに、日銀介入があったら、円買いが加速するでしょうね。
先日、内閣府が発表した日本の輸出企業の採算点が1ドル104.50円と昨年度よりは円安になったが、日本経済の景況感の高まりからすれば、100円割れでも十分に耐えうる状況と言えるのかもしれない。やはり行き着くところは原油価格がキーポイントになる相場である。
●昨日はドル円に対しては米ドルが買い戻されたが、過剰反応した円高の調整局面とし捉えた方が賢明であろう。しかしながら、依然として、115円台の上値の重さを感じる相場である。昨日の米消費者信頼感指数と米中古住宅販売件数の改善が素直に反応した米ドル買いと判断するのは早計であり、前回でも中古住宅販売件数は伸びたものの、翌日の新築住宅販売件数は予測を下回り、結局は米ドルの下落に繋がった経緯があるだけに、今晩の(米) 3月新築住宅販売件数を見ない限りは、米ドルロングには要注意である。
これからも、一連の米経済指標では米ドルの上昇にも限度があり、総じて、下落局面に対する反応が強い流れでもある。たとえ米ドルの買い戻し基調になったとしても、当面は115円台半ばからの上値の重さを知る相場と言える。
とりあえずは、米ドルショートを本線として、臨みたい相場であるが、5月のFOMCの利上げも含めて、再度米ドル人気の高まりも想定する必要はあり、これからの一方的な米ドル売りには注意も払う必要性もあり、ポジションの縮小を念頭に臨みたい市場である。
▲現状ではECBの利上げも云々されてはいるが、当初から予定されたECBの利上げでもあり、ユーロドルの上昇も限定的と判断して、1.2500に向けての始動は時期尚早であり、1.24台半ばの攻防を見なければ判断しがたい情勢である。現状レベルでもユーロ圏内の貿易不均衡が取りざたされており、基本的には過大評価されたユーロドル高は歓迎されず、今後のECBの金利動向にも影響を与えるため、1.2300~1.2500のレンジ相場で対処することが望ましい。
先のG’7でのテーマが原油価格と人民元の切り上げ問題ではあったが、最終的には米利上げ打ち止め観測との複合技が米ドルの下落に繋がっており、明日からの米バーナンキFRB議長の議会証言も来月のFOMCの利上げを想定した内容と見るべきであり、マイナス思考的な発言は期待しないで、強めの経済見通しと判断した方が賢明と思われる。それゆえに、行過ぎた米ドル売りには慎重にならざるを得ないマーケットである。ドル円114円台前半の買いと115円台前半の売りであればリスクも限定的と判断する。
米国としても、石油備蓄停止と思い切った判断であるが、原油価格の上昇が米経済、そして世界経済に及ぼす影響ともなれば、背に腹を変えられないのだろうが、原油価格の安定が米国の強さを象徴することにもなり、米国の舵取りは金融政策のみならず、政治的手腕も要求されるのだろうが、いずれにしても、緊張感を感じさせる相場である。思惑的な投機筋の始動も充分に予想されるため、ポジションの縮小を前提に取り組むべきである。