日銀決定会合織り込み済み!過度な円安期待禁物?
新たな材料はない中、市場は今週から始まる日銀決定会合に対する期待感が根強く、ドル円相場は90円前後で底堅さを維持している。既に、デフレ脱却に向けて、政府・日銀の協調体制を元に、物価目標を事実上2%に引き上げ、そして、無制限に国債買い入れるなどの大胆な金融緩和策を組み入れる旨が伝えられている以上、依然として、株高を背景とした円安期待は根強いものがある。ただ、過度な円安局面ともなれば、他の主要国からの反発は必至であり、また、目先の材料出尽くし感を踏まえると、円の買戻しも予想されるだけに、現時点では短期のドル買いと中期のドル売りシナリオで望むことが肝要であり、当面、ドル円の上値は限定的と見なすほうが無難であろう。
一方、先週末に発表された中国の国内総生産(GDP)統計で2012年のGDP伸び率が1999年以来の低水準となったことを受けて、中国経済に暗雲が忍び寄っており、市場はリスク回避的な動きの中、過剰反応している株高や円安には利益確定売りが優先される可能性が高く、もう一段の株高および円安局面では、一旦ポジションを清算することが一考であろう。
他方、米国では、今週中にも暫定的に3ヶ月間の債務上限延長法案を可決することが伝わっている。上下両院では予算案を可決する時間を確保するために、暫定的に3ヵ月間、債務上限を引き上げる法案を承認すると述べているが、その中、米 1月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値は71.3と予想75.0を下回り、ドルを積極的に買い戻す動きも後退している。また、スイス国立銀行(中央銀行)が2011年9月に設定した1ユーロ=1.20フランの上限を変更するよう、労組団体が求めていることがユーロの下支え要因になっている。