外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー
  4. >円買戻し一巡!ドル円90円台に向けて再始動?

コラム & レポート

バックナンバー

鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

円買戻し一巡!ドル円90円台に向けて再始動?

米国の債務上限の引き上げをめぐり不透明感が意識される中、昨日発表された米国の経済指標では、米12月消費者物価指数・前月比が±0.0%と、事前予想通りの結果となったほか、米地区連銀経済報告書では全地区で経済活動は緩やかに拡大、全地区で個人消費は一定の拡大を示したにとどまり、市場は米国の3連休を前にして、相対的に様子見ムードが広がっており、調整色の強い相場展開が予想される。

一方、ドル円は先の甘利経済再生相の円安牽制とも受け取られる発言から円の買い戻しが優先される中、昨日も石破自民党幹事長が円安進行は産業によっては困る企業も出てくると発言するなど、依然として、円売りを手控える傾向は否めない。ただ、市場は来週の日銀金融政策決定会合において、政府主導による大胆な追加金融政策を意識し始めており、ドル円88円割れの段階では利益確定買いや短期筋のポジション巻き戻しなどが随時散見されているため、円の買戻しは一巡したと見る向きは少なくない。当面、ドル円88円割れからのショートは手控えることが良策であろう。

他方、ユーロドルは世銀が2013年の世界成長見通しを下方修正する中、ドイツ政府も今年の経済成長率予測を下方修正するなど、相対的に急ピッチのユーロ買いに警戒感が強まっている。また、ユーロ圏財務相会合のユンケル議長が、過去6カ月間にユーロが対ドルで10%上昇したことが欧州経済を新たな脅威になるとの見解を示したこともあり、現状レベル1.33台以上からのユーロロングは自重局面にあるが、オーストリア中銀のノボトニー総裁がユーロ相場は深刻な懸念要因でないと言及するなど、当面、1.3200〜1.3400のレンジ幅で売買を模索することが賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

ニュースクラウド