ドル円90円台に向けて再始動!クロス円に過熱感・反動売りに注意?
ECB理事会では政策金利が据え置かれる中、ドラギECB総裁が記者会見において、リスクは依然として下向きとしながらも、年内には段階的に回復する見込みと言及、そして、金利決定は全会一致で利下げ要請はなかったことを明らかにしたことで、利下げ期待が一気に後退する格好となり、ユーロドルは1,30台半ば前後から1.32台半ば近辺まで上昇するなど、ユーロドルの買い戻しが急を告げている。また、ギリシャの2012年の財政赤字が2011年の228億ユーロから163億ユーロへ縮小したこともユーロの追い風になっている。
一方、堅調な中国の12月貿易収支の結果を受け、中国需要が回復するとの見方が強まる中、NYダウは続伸、本日の日経平均株価も堅調にスタートしており、株高・円安の構図が現実味を帯びている。その中、ドル円は2年半ぶりに89円台乗せの展開となり、また、早朝に発表された11月国際収支統計では、経常収支は予想を上回る2224億円の赤字となり、市場はドル円90円台を意識せざるを得ない状況にまで陥っている。
他方、安倍政権が日銀と連携してデフレ脱却を目指すとの期待感が広まる中、安部新政権の円高対策への期待感が定着したことを受けて、ドル円を含めて、クロス円通貨も軒並みオプション絡みのストップロスを巻き込み、連日のように高値を更新している。反面、これほどまでに円売り材料が市場に蔓延している以上、円ロングは基本的に自重しなければならないが、市場には過剰期待とともに過熱感が生じており、常にポジションの反動売りに注意を促す時期にさしかかっており、少な目のポジショニングで対応することが賢明であろう。