ドル円下値懸念遠のく!ユーロ方向感なく、直近のレンジで対応?
安部新政権への期待が高まる中、経済財政諮問会議の初会合において、日銀に対し2%の物価目標を踏また金融政策を運営するよう求めたことが好感され、再度円売りが加速、ドル円は再び88円台に突入している。日本政府がデフレ脱却に向けて、大胆な金融緩和の実施や貿易赤字拡大の抑制などを踏まえて、今後も円高対策により一層力を注ぐとの思惑が先行しており、日本サイドにおける円買い材料は皆無に等しい状況にある。
一方、欧州債務問題を巡るリスク回避の円買い需要、そして、投機筋の円ショートの巻き戻しなどが懸念される中、安倍首相が先の総選挙でアベノミクスを打ち出して以後、円はすでに、ドルに対して10%程度下落している関係上、各国からは行きすぎた円高是正策、そして、貿易不均衡に対する批判が垣間見られるなど、ドル円の一方的な上昇に歯止めがかかりやすい相場環境にある。それ故に、当面、ドル円90円が大きな節目になる可能性があるが、現時点では、ドル円ショートを自重しながら、臨機応変な売買が一考であろう。
他方、欧州圏では、欧州債務危機も落ち着いていることから、ユーロドルの下値は限定的になっているが、昨日発表されたドイツの鉱工業生産が小幅な上昇に留まり、ドイツもマイナス成長に落ち込むとの観測も広まる中、一部ではドイツがリセッションに向かっている可能性があるとの指摘もある。本日のECB理事では利下げの可能性も否定できない以上、当面、1.3000〜1.3150のレンジ幅で売買を模索することが賢明であろう。