円売りに過熱感!ドル円90円台に向けて厳しい道のり?
12月米雇用統計は予想範囲内ではあるが、先に発表されたADP雇用統計の期待値を削がれた格好となり、相対的にポジション調整色を強めている。米12月雇用統計における非農業部門雇用者数が+15.5万人と市場予想の+15.3万人を若干上回ってはいるが、ただ、失業率は7.8%と予想の7.7%から1ポイント悪化したことを受けて、相場は一進一退の展開を余儀なくされている。
一方、FOMC議事録からQE拡大が年内にも終了するとの観測も高まる中、量的緩和(QE)の早期終了期待が後退したとの思惑から、ユーロドルは一時1.3000割れ、そして、ドル円も88円割れとなり、利益確定売りに圧されていたが、終盤にかけては両通貨ペア共に下げ幅を回復するなど、ドル円は再び90円台を目指す展開が予想される。
他方、安部首相は年頭所感を発表する中、「日本にとって何より喫緊の課題は、デフレと円高からの脱却による経済の再生」と指摘する中、経済政策については、「大胆な金融政策」を含む3本の矢で取り組む方針を強調している事も円売りに安堵感が生じている。ただ、この一ヶ月間でドル円は5円強、そして、他のクロス円も5〜6円程軒並みに上昇するなど、相対的に清算局面を迎えている。いずれにしても、日米欧の財政再建は依然として厳しいものがあり、一本調子の円売りにも違和感が生じ始めているが、当面、株価の推移を睨みながらの展開が予想されるため、常に少な目のポジショニングで対応することが賢明であろう。