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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ご祝儀相場で株高・円安継続?

安部新政権の誕生後も円売りの動きが顕在化しつつあり、新政権による大胆な金融緩和策がドル円の底堅い状況をもたらしている。ただ、ドル円86円台では引き続きアノマリー的な円買い需要や円ショートの積みあがりを警戒する向きも多々あり、積極的な円売り志向にも限界が垣間見られている。当面、ドル86円台では更に神経質な展開が予想されるが、一応、ドル円85円台が相場に根付いたと解釈できるだろう。反面、年末年始に向けて、海外勢を中心に投機的な動きが相場を主導している関係上、欧州財政危機や米国の崖問題が再燃した場合には、失速感を伴う円買い需要にも注意を払う必要があるだろう。

一方、市場は日銀の緩和期待が先行している嫌いもあるが、米国サイドでもFRBが来年に向けて無制限の金融緩和が実施される可能性が高く、日米の金利差の縮小を踏まえて、更なる円ショートにも警戒感を強めている。86円台半ば以上からのドル円ロングは自重することが一考かもしれない。

他方、NYダウは続落しているが、財政問題に関して、米大統領が新たな妥協案を提出するとの観測報道や下院が30日に審議を再開する公算が明らかになるなど、市場のセンチメントは改善方向にあり、株価は引きにかけて急速に下げ幅を縮小しているように、本日の日経平均株価も年末のご祝儀相場も含めて高値圏で終了する可能性が高く、株高・円安の構図に傾斜せざるを得ない。ただ、例年、年初の円相場が波乱含みの展開になっており、ポジション縮小とともに、しっかりした利食いと損切りシナリオで対応することが賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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