安部政権誕生で85円台実現!過剰期待先行?
本日にも自民党安倍新政権が発足することから、市場にはデフレからの脱却に向けた本格的な大型補正予算への期待が高まっている。その中、ドル円は早くも85円台を実現し、底堅い展開が予想される。市場には達成感やポジション調整、そして、年末に向けてのアノマリーによる円高への警戒感もあり、加速的な円安局面にはなりにくい相場環境にはある。
一方、安部政権下では、景気・経済対策においては、公明党の山口那津男代表と党首会談に臨み、連立政権発足へ向けた本格的な大型補正予算を踏まえた上で、物価目標2%を設定、大胆な金融緩和を断行することでデフレ脱却を図り、2013年度予算と連動して編成・成立させ景気対策に万全を期す旨が合意されている。それ故に、相対的に株高・円安シナリオを組み入れたポジショニングに妙味が生じていることは否めない。ただ、懸念されている投機筋の円ショートの積みあがりがあるだけに、瞬間的な円の買い戻しにも配慮しなければならず、当面、84.50〜85.50のレンジ幅で売買を模索することが一考であろう。
他方、欧州圏では財政危機問題が一服する中、市場の関心は米国での財政協議の行方や円売り志向の高まりを背景に、動きづらい展開になっている。現時点では米財政の崖問題は年内にもまとまると楽観視する向きが少なくなく、相対的に米株式市場への期待を背景に、ドルを買い戻す動きが優先されており、ユーロドルの上値も限定的になっている。ただ、円売りを背景にしたユーロ円の上昇を踏まえると、下値も限定的であり、ドル円と同様に1.3100〜1.3250程度のレンジ相場で注視せざるを得ないだろう。