ドル円85円台必至も反動売りに注視?
総選挙や日銀金融決定会合といったビックイベントを通過し、相対的に材料出尽くし感が強まると共に、クリスマでス休暇を迎えて市場は閑散としているが、ドル円85円台が必至の情勢になっている。明日にも自民党の安部新総理が誕生する見込みであり、市場は追加金融緩和策への高まりから、ドル円は終始底堅い展開を強いられている。ただ、85円前後では実需ならびに利益確定売りが散見されるだけに、上値は限定的であろうが、金融緩和に加えて、貿易赤字の拡大などを考慮しても、遅かれ早かれドル円85円台は時間の問題と言わざるを得ない。
一方、欧州圏では、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、スペイン、フランスなど一部のユーロ圏諸国に対し、財政赤字を国内総生産(GDP)比3%以内に削減する目標の達成期限延長を提案する方針であることが明らかにしており、市場のコンセンサスはユーロドルを買い戻す動きがやや優勢ではあるが、再度1.33前後の上値の重さが意識される中、戻りは鈍く、依然として、1.32前後で試行錯誤が続いている。
他方、IMM通貨先物市場では、年末を控えて、円及びユーロは調整色を強めており、先週比から大きな変化は見られてはいない。投機筋も年末年始に迫る米財政の崖問題をめぐり、積極的な動きは抑えられている模様であるが、当面、円ショートの積みあがりや年末に向けての円転地合を考慮すれば、ドル円85円台に乗せてからの反動売り(円買い)に注視し、一旦ドル円85円では清算局面に移行することが一考であろう。