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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米金利政策のエピローグと人民元の切り上げプロローグ!

一緒だったらよいのかも!

一緒だったらよいのかも!


新外為の森 ペットチャートの中間情報 10:10現在( )内は前回推奨レート 4月16日(日)
●ドル円 116.80 買い 様子見へ (118.65売り)
●ユーロドル 1.2360 売り    (1.2107様子見)
●ポンド 1.7828 売り     (1.7509買い継続中)
●カナダドル 1.1395 買い   (1.1514買い弱め)
●豪ドル 0.7438 売り 様子見へ (0.7282買い継続)
●スイスフラン 1.2688 買い   (1.2988売り)

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FOMCの議事録を見る限り、すでに利上げサイクルの終了を示唆している。前回の利上げ(3月28日)の際の声明文によれば、全会一致で利上げが決定され、経済資源の利用度上昇はインフレ懸念を高め、今後のインフレ抑制のためには一段の金融引締めが必要と論じられたことを振り返ると、米経済の不透明さは更に高まることになる。5月10日のFOMCの利上げも危ぶまれる状態ではあるが、米国としても、米ドル離れを阻止するためには、今後もFFレートの利上げの火種を消さずに、出来るだけ長く、米ドルに関心を持たせることがキーポイントになる。そのためには、人民元の切り上げを早めなければならず、明日の米中首脳会談は大きな意義が生じてくる。
★ブッシュ政権が望む強い米ドル政策を堅持するためには、自らの米ドル安の選択ではなく、他の要因が必要な時期が迫っていると見るべきであろう。それが、人民元の切り上げでもあり、貿易不均衡是正の原動力にもなる。この問題が解決すれば、自動的に円高とユーロドル高のシナリオがあり、米ドル安に繋がる方程式も自然発生することになる。
▲市場参加者は、常に金利動向に揺さぶられてきたが、米金利の連続的な利上げ効果も終焉に近いと見るべきであり、金利差拡大が逆に米ドルの急落を促す局面にもなり得る。特に長短金利の逆転現象が取りざたされており、住宅関連や経済活動にもたらす影響も計り知れないのが現状であろう。利上げ打ち止め感が、NYダウの急上昇を見せたように、株式市場での好感度も加味すると、次回5月の利上げを最後にFFレートのエピローグになる可能性が高いと言えよう。
ECBの利上げ、そして、日本のゼロ金利解除の早期実施が重なれば、米ドルの急落を想定せざる日も遠くはない。とりあえずは、明日の米中首脳会談を見極めてからであるが、中国の為替メカニズムのお粗末さを考えると、早急に結果が得られないのも事実であり、基本的には米ドルショートを維持しながら、今後の状況を探りたい相場である。
●利益確定の買いも116円台後半では見られ、東京市場での下落は限定的と判断するが、ドル円の117円割れを見た以上は、更に上値圧力が増すことは否めない展開である。すでに、実需の買いが117円半ばから117円前後まで断続的に実施されており、徐々に買い意欲が減退気味である。米ドルショートを117円台半ばでは推奨するが、買いは116円台半ば前後でなければ妙味は少ないと判断する。
ユーロドルは1.23前後のストップロスを巻き込みながら、一気に上昇気流に乗ってしまったが、海外勢も上昇テンポが速すぎ、戸惑いは隠せない。1.25まで視野に入れるディーラーも一部ではいるが、更に下値が堅調になった事は確かであり、ユーロドルのロングを維持しながら臨む事を勧める。1.23前後でなければ、妙味はない。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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