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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

金融緩和期待の余韻残す!ドル円底堅さ健在?

昨日の日銀金融決定会合において、追加金融緩和が実施されたことなどが好感され、ドル円は底堅さを取り戻している。その中、日経平均株価の反落に伴いポジション調整売りが優先されるなど、ドル円は84円台半ば前後で思考錯誤が続いている。ただ、市場はクリスマス休暇に向けて積極的な売買は手控えており、現段階では、85円台は時期尚早と言わざるを得ない半面、NYダウの上昇に伴い、本日の日経平均株価の上昇が見込まれるだけに、ドル円の下値は限定的であろう。

一方、市場の焦点は財政協議に集中する中、米財政の崖問題について、年間所得が100万ドルを下回る所得層の減税措置を継続する法案は下院では通過すると見られているが、オバマ政権と減税措置継続の所得水準で合意が得られておらず、成立の見込みは立ってはいない。オバマ大統領側は必ずしも最終案ではないが「譲歩の余地は少ない」と言及している。また、大統領は共和党案を否決することを再表明しているが、ベイナー米下院議長は法案が下院で可決された後も、オバマ米大統領との協議を続けるとしており、やや楽観的な見方もあるが、年末に向けて微妙な状況にあることには変わりがなく、株・為替共に、ある程度の乱高下は想定せざるを得ないだろう。

他方、昨日発表された7−9月期の米GDP確報値が上方修正され、また、米中古住宅販売件数、米住宅価格指数、米フィラデルフィア連銀製造業指数はいずれも強く、米景況感の改善期待からNYダウが上昇傾向を示しており、相対的なリスク回避の動きが一服している。ただ、年末年始といった休暇モードに入るため、株・為替市場は相対的に薄商いが予想されるため、相場が大きく動意づく外部環境にはなく、休暇中は直近のレンジ幅で売買を模索することが良策であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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