日経平均株価1万円台回復!円売りに安堵感⇔高値警戒感
市場の関心が総選挙から再び米財政の崖問題に焦点が当てられる中、米財政協議でオバマ米大統領は富裕層への減税打ち切り措置を25万ドル超から40万ドル超に引き上げる旨の妥協案が報じられている。一方、ベイナー米下院議長は依然として100万ドル超を強調しているため、今後も協議の難航が予想されるが、同議長は財政の崖回避に向けた第2案緊急対策案プランBへ移行しているとも述べており、同法案が週内にも採決にかけられるとの見通しから、財政の崖回避向けての期待感がやや増している。また、関係筋からも相互理解を着実に高めているとの観測があり、概ね近々にも妥協案が見出されるとの見方が支
配的であり、為替相場はリスク選考を背景にドル売り・円売りへと傾斜している。
一方、ユーロドルは1.32台のストップロスを巻き込む形で消去法的に買われている側面があるが、同時に高値警戒感も浮上しており、更に買いあがる難しさがある。現時点ではユーロ圏をめぐる財政危機問題が沈静化しているため、下値は限定的になっているが、とは言え、ユーロを積極的に買い上げる材料がないだけに、当面、レンジ幅を1.3150〜1.3300まで拡大して、同レベルからの逆張り待機が一考であろう。
他方、ドル円は日銀政策決定会合の結果如何で乱高下する可能性があるが、日経平均株価がNYダウの流れを引き継ぐ形で1万円台を早々に回復しており、引き続き底堅い展開が予想される。ただ、ドル円85円台では実需並びに利益確定売りが散見されており、また、クリスマス休暇や年末年始を控えて、例年のように円の買戻しが強まる可能性があるため、当面、85円前後からのロングは自重することが賢明であろう。