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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

漁夫の利選挙で自民圧勝!円安期待どこまで?

昨日の衆院選挙において、最終的には民主党への厳しい審判が下る形で、漁夫の利とも言える自民党の圧勝劇で終わっている。市場は日銀への追加緩和圧力が強まるとの見方から、更に円売りに弾みがつくかに焦点が絞られており、当面、ドル円85円台を意識せざるを得ない状況にある。ただ、市場の円ショートの積み上がりも無視できないのが実状であり、また、年末に向けて、アノマリーの円買い需要が強まる中、政府・日銀による追加の金融緩和期待頼みで円売りが継続的に進行するかは懐疑的とも言わざるを得ない。

一方、自民党政権誕生により、デフレ克服に向けて、安部総裁は2~3%のインフレ目標を掲げているが、反面、俗に言われている200兆円規模の公共投資が速やかに実施されるかは甚だ疑問視されている。すでに国政の財政赤字が1,000兆円規模に達している以上、デフレ化における財政赤字拡大が景気浮揚策とは言い切れない側面が多々ある。そして、安部新政権誕生により、尖閣諸島を背景とした日中関係の悪化懸念など、安部外交が難航する可能性もあり、素直に楽観視できない外部環境にある。

他方、オバマ米大統領と共和党のベイナー下院議長の協議がこう着度を増す中、年明けに減税失効と歳出の自動削減開始が重なる「財政の崖」問題が懸念されるなか、依然として、市場のドル売り志向は根強く、ドル円の上昇は限定的になる可能性も否定できない。それゆえに、市場のコンセンサスは消去法的に欧州通貨並びにオセアニア通貨などが買われやすい状況にある。



●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2012年12月16日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅 0.1770 現状乖離幅0.1645→0.1497(A)100÷109.90=0.9099−(B)1÷1.3154=0.7602⇒0.1497。先週の弱めの売りシグナル82.45円から上昇に転じており、今週は損失確定買いを伴い、様子見83.55円が点灯している。中期チャートにおいては、弱めの売りシグナルが点灯しており、84円台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★様子見

▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 25.00円 現状乖離幅 24.20→26.35円
先週の弱めの買いシグナル1.2935から上昇を速めており、今週はポジション解消売りを伴い、様子見1.3154が点灯している。中期チャートにおいては、弱い売りシグナルが点灯しており、1.3000〜1.3300のレンジ相場を形成している。★様子見

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 4.00円 現状乖離幅 4.05→4.65円
先週の弱めの買いシグナル1.0491から上昇に転じているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル1.0557が点灯している。中期チャートにおいても同様に、弱めの買いシグナルが点
灯しており、1.04台半ば割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.0600〜1.0700)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 13.00円 現状乖離幅 13.75→12.95円
先週の弱めの買いシグナル0.8322から上昇しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル0.8450が点灯している。中期チャートにおいても弱めの買いシグナルが点灯しており、0.83前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.8500~0.8550)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −2.00円 現状乖離幅 −0.85→−0.65円
先週の弱めの売りシグナル0.9898から若干下落しているが、今週も引き続き弱めの売りシグナル0.9864が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯してお
り、0.9700〜1.0000のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(0.9750〜0.9800)

▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 50.00円 現状乖離幅 49.90→51.40円
先週の弱めの買いシグナル1.6052から上昇を速めており、中間ではポジション解消売りを伴ったものの、今週は弱い買いシグナル1.6152が点灯している。中期チャートにおいては
弱めの売りシグナルに移行しており、1.5900〜1.6300のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(1.6200)

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −7.00円 現状乖離幅 −5.80→−7.40円
先週の売りシグナル0.9343から下げ足を速めており、今週は弱い売りシグナル0.9186が点灯している。中期チャートにおいては売りシグナルが点灯しており、0.93前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.9150)

(欧州主要3大通貨)
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 25.00円 現状乖離幅 25.70→25.05円
先週の様子見0.8058から上昇しており、今週は弱めの売りシグナル0.8144が点灯している。中期チャートにおいては様子見が点灯しており、0.8000〜0.8300のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(0.8000〜0.8050)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 18.00円 現状乖離幅 18.40→18.95円
先週の売りシグナル1.2085から変化はなく、今週も引き続き売りシグナル1.2084が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、1.21台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.2000〜1.2050)

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 43.00円  現状乖離幅 44.10→43.35円
先週の売りシグナル1.4997から下落しており、今週はポジション解消買いを伴い様子見1.4838が点灯している。中期チャートおいては、強めの売りシグナルが点灯しており、1.5000前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★様子見

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的な投資
判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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