総選挙&財政の崖に注目!波乱含みの展開へ?
市場の焦点は財政の崖に再び集まっている。昨日、ベイナー下院議長は、オバマ大統領は歳出削減に真剣に対応し財政の崖を回避しようとしていないと批判しているが、本日にも財政の崖問題に関して、オバマ大統領とベイナー米下院議長が再協議する見通しであり、何らかの妥協点を見出せるかに注目が集まっており、現時点においては、更なるドル売りを仕掛けづらい外部環境にある。
一方、欧州圏では、EU首脳会合が実施される中、EU財務相会合において、ECBにユーロ圏の銀行監督権限を付与し、銀行同盟を強化することで合意、銀行を各国政府単独ではなく、欧州全体で監督することで一応の合意に達している。結果的にはギリシャ・スペインなどの重債務国の銀行が経営難に陥っても、現状のような公的資金注入などで各国政府が独自で対応することがなくなり、ECBの管理下で支援策が練られることになり、相対的に重債務国の負担が軽減されることになり、ユーロの下支え要因になっている。
他方、ドル円は16日の衆院選と来週の日銀金融政策決定会合における日銀の積極的な追加緩和への期待から底堅い展開になっており、当面、3月15日の年初高値84.18円が意識せざるを得ない状況にある。反面、ドル円84円台からは実需売りや利益確定売りが控える中、円ショートの積み上がりや米国の財政の崖問題の行方も気になり、短期筋の積極的な円売りにも限界点が見え隠れしているのが現状である。ただ、年初来の高値を更新するとなれば、ドル円85円台が現実味を増す可能性が高く、基本的にはロング思考で臨むことが一考であろう。