ドル売り・円売り進行中!ドル円83円台への足固めなるか?
昨日のFOMCにおいて、量的緩和拡大が事前予想通りに決定、現行のオペレーション・ツイストは期限通り年内で終了し、その代替として450億ドルの長期国債購入が打ち出されている。また、失業率が6.5%に低下するまで事実上のゼロ金利政策を継続するとの方針を打ち出すなど、数値基準を導入する異例な措置に踏み込んだことを受けて、市場はドル売り、円売りに反応している。その中、ドル円はストップロスを巻き込む形で83円台へと底堅い状況にあるが、83円台の実需売りや利益確定売りをにらみながらの相場展開なだけに、やや伸び悩みの兆しもある。
一方、米国においては、年明けに減税失効と歳出の自動削減開始が重なる「財政の崖」問題を抱える中、同問題の解決策の糸口が見えてこない限り、対主要通貨で積極的にドルを買い戻す動きは限定的になっている。そして、日本においても、16日の衆議院選挙の結果や来週の日銀金融政策決定会合における更なる追加金融期待が絡み、円売りに安心感が芽生えているため、ドル円の底堅い状況をもたらしている。
他方、欧州圏では、ベルルスコーニ元伊首相が、モンティ現伊首相が出馬なら立候補の辞退の可能性を示したことを受けて、イタリア政局不安がやや後退し、ユーロ買いに反応しているが、市場のコンセンサスとしては、米国と日本の積極的な追加金融緩和策に反応しているのが現状である。ただ、ECBの利下げ観測が視野にあるだけに、過度なユーロロングにも警戒感が生じている。