米雇用統計改善の兆し!懐疑的?
先週末の11月雇用統計において、非農業部門雇用者数が14万6千人増加し、予想の9万人増を大幅に上回ると同時に、失業率は約4年ぶりに7.7%と前月の7.9%から低下するなど想定外の数値を受けて、ドル買い・ユーロ売りが加速している。懸念されていたハリケーン「サンディ」の影響は反映されなかった模様であるが、既に、一部では次回米雇用統計に織り込まれる公算が高いとの見解が少なくない。また、今回の失業率の低下は求職者の減少が起因しており、鵜呑みにはできない側面があり、ドルを一方的に買い上がる難しさがある。
一方、ドル円は雇用統計の好結果受けて、市場は11−12日のFOMCにおける金融緩和策への期待が削がれる中、相対的にドルの買戻しが優先され、一時82円台後半まで上昇するなど底堅い展開を余儀なくされていたが、ドル円83円台では実需ならびに利益確定売りが随所に散見されており、更に上値を追う展開には至っておらず、82円台半ば前後で膠着度を強めている。
他方、ユーロドルは見切り売りが強まる中、一時1.29割れまで下落したが、同レベルでは利益確定やポジション調整買いに押される格好で1.29台半ばまで買い戻されている。ただ、ECBの関係筋が前回の理事会で過半数が利下げに賛成したとの報道が伝わっており、次回ECB理事会での利下げ期待が高まるとともに、市場はドラギECB総裁が先に言及した中銀預金のマイナス金利が意識されるなど、ユーロの戻りは限定的になっており、再度、1.300台の上値の重さが意識されている。