現実味乏しいマイナス金利導入!ユーロ戻り売り優先?
ECB理事会では事前予想通りに現行金利0.75%の据え置きが決定されたが、ドラギECB総裁はユーロ圏の景気低迷は来年も続く見通しであり、また、データ的にも第4四半期のさらなる経済の弱さを示唆する中、中銀預金金利のマイナス金利についても協議したことを言及したことを受けて、短期筋のユーロ売りが加速している。また、イタリアの政局不
安なども重なり、ユーロドルは1.30台半ば前後から心理的節目である1.30を難なくクリアーし、1.29台半ば水準まで急落している。
一方、本邦においても、先に安部自民党総裁がマイナス金利の導入について言及した際にも円売りに弾みがついた経緯はあるが、ユーロ圏域内においては、重債務国と優良国との温度差が激しく、総じて、マイナス金利を導入するには容易な環境ではない。単独国である日本以上に難航することは必至であり、現実味に欠けた金融政策とも言わざるを得ないだろう。ただ、今回のECB理事会でマイナス金利導入に触れたこともあるが、次回のECB理事会での金利引き下げが確実視されており、当面、ユーロの戻り売りを優先することがリスクの軽減に繋がるであろう。
他方、財政の崖問題が問われる中、本日は米11月雇用統計が注目されるが、既にADPの悪化数値を含めて、非農業部門雇用者数の大幅な悪化が見込まれており、ドルを積極的に買い上げる機運も削がれている。ただ、ドル円相場は、ユーロとドルとの相関性を睨みながら、相対的に動きづらい外部環境にあり、当面、82~83円のレンジ幅で逆張り待機で臨むことが一考であろう。