燻る米財政の崖!ドル調整売り優勢も反発時期到来?
昨日は特に主だった経済指標がない中、市場は全般的に週末の米雇用統計を控えて様子見気分が強まっているが、総じて、財政の崖が重石となり、ドルの調整売りが優先されてい
る。オバマ米大統領は「財政の崖で合意を得られる可能性がある」と希望的な見解を述べている一方、ベイトナー下院議長の提案は富裕層向け増税がなければ合意は不可能均衡に欠くと否定的な見解を示しており、民主・共和両党は妥協点を見出せない状況に陥っている。
一方、ユーロ圏ではギリシャの次回融資実施の条件となっている国債買い戻しについて、最大100億ユーロを投じて民間投資家から国債を買い戻す計画が発表され、また、スペインの銀行支援要請を好感した流れを引継ぐ格好でユーロドルは一時1.31前後のストップロスを巻き込み底堅い展開になっている。ただ、依然として、ユーロ圏全体の景況感の悪化や財政懸念は払拭されておらず、ギリシャの財政再建計画のみでユーロを積極的に買い上
げる機運も徐々に希薄になっている。米国の財政の崖問題に新たな展開でもあれば、ドルの反発も予想されるだけに、当面、ユーロドル1.31台からのロングは自重することが賢明であろう。
他方、ドル円は、先の安部自民党総裁の発言が色あせる中、衆議員総選挙後の枠組みにも不透明感が生じており、過度な円安期待は後退しつつある。その中、財政の崖問題や米雇
用統計の悪化懸念を背景としたリスク回避の円買いが隋所に散見されるなど、上値の重い展開を強いられている。