ユーロ不安定な上昇局面!ドル円82円台維持?
米財政の崖への懸念は依然として根強い中、昨日表された米11月のISM製造業景気指数が景気の分岐点である50を下回ったことで、相対的に週末の米雇用統計への懸念が増しつつあり、ドルを積極的に買い上げる状況に至っていない。
一方、ユーロドルは1.31台の上値の重さを意識するものの、ギリシャ政府が債務削減策に向けて、100億ユーロの国債買い戻しの条件が整ったとの報道を好感したほか、スペイン政府が総額369.68億ユーロの銀行支援を正式に要請したことを受けて、欧州財政危機に関する懸念が緩和されたこを受けて、ユーロドルは底堅さを取り戻している。また、スイスの主要な銀行がスイスフラン預金に対してマイナス金利を適用する可能性が強まっていることもユーロの追い風になっている。
他方、ドル円は82円台を維持したものの、実需やポジション解消売りに圧された格好で上値の重い展開を強いられているが、シカゴIMM通貨先物市場では投機筋の円ショートが8万枚に迫るほど、急ピッチで円売りが進行している現状を踏まえると、過度な円高期待は自重せざるを得ないだろう。ただ、更なる円高局面ではポジションの巻き戻しも視野に入るだけに、当面、82.00~83円のレンジ幅を重視して、売買を模索することが一考であろう。
その他では、本日は豪準備銀行(RBA)が政策金利を発表するが、市場予想は0.25%の引き下げを見込んでおり、豪ドルは対ドルで伸び悩んではいるが、依然として、ドル、ユーロ、そして、円などの主要通貨への信頼性が希薄になっており、未だに高金利通貨の優位性を保っており、下値は限定的とみなした方が得策であろう。