主役探しの相場展開!財政の崖⇔欧州危機、それとも安部トレード???
昨日は米財政の崖問題解決に関して楽観的な見解を示していたベイナー米下院議長が「財政の崖をめぐる協議で過去2週間に実質的な進展はない」と否定的な発言したことを受けて、市場は混迷を極めている。
一方、米議会指導部は減税失効と歳出の自動削減開始が重なる「財政の崖」回避に向けて、ガイトナー財務長官と相次いで会談をしたが、民主・共和両党ともに事態打開に向けた歩み寄りは見られず協議は平行線に終わっっている。ただ、シューマー上院議員が同問題について「進展がある、クリスマスまでに合意に達する」との見解を述べるなど、依然とし
て、財政の崖問題に関しては玉虫色の状態の中、市場参加者は月末を控えて相対的に積極的な売買を手控えざるを得ない外部環境に陥っている。
他方、米商務省が発表した第3四半期(7−9月)の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比2.7%増と速報値の2%増から上方修正される中、10月米中古住宅販売成約指数は前月比で5.2%上昇したことを受けて、NYダウは堅調に推移するなど、財政の崖問題をよそに、米経済の回復期待も高まりつつあり、ドル売りを積極的に仕掛ける状況には至っておらず、当面は直近のレンジ幅を重視しながら、戻り売買で対応することが賢明であろう。