円安進行も自民党総裁発言に過剰反応?
先週は日米の休場を挟み、市場参加者が激減する中、市場はリスク選考の流れを引き継ぎ欧州通貨や資源国通貨が買われる展開になっている。その中、円相場は自民党総裁のインフレターゲットの設定や無制限の緩和措置などの発言により、より一層、日銀の金融緩和策への期待が強まり、円売りに弾みがついている。ドル円は前週比で1円ほど円安が進行する中、ユーロ円に至っては3.5円、ポンド円は3円、そして、豪ドルなどの主要通貨に対しても2円強ほど円安が進行しており、円相場が為替市場全般のかく乱要因になっている。同時に、高値警戒感も浮上しており、今週も波乱含みの展開が余儀なくされている。
一方、ユーロ圏ではギリシャ支援への期待が高まる中、本日にもユーロ圏財務相はギリシャの支援決定に向けて再協議を実施する予定であるが、メルケル独首相を筆頭に、ユーロ圏各国首脳も合意に向けて協調姿勢を強めている模様。また、IMFがGDP比で120%を主張していたが、124%まで譲歩したことにより、ギリシャ向けの支援が正式に決定されるとの思惑から、相対的にユーロドルの買い戻しの動きが助長されている。
他方、EU首脳がEUの中期予算を協議していたが、予算増額をめぐり決裂したとの報道を受けて、再度、ユーロドル1.3000台の上値の重さが意識される中、同時に、急ピッチの円売りがユーロ並びに他の主要通貨などの買いを誘引している可能性が高く、いずれの通貨も底堅い展開を見せてはいるが、ただ、高値警戒感も浮上していることは否めず、当面、ポジションを縮小しながら臨機応変な売買で乗り切ることが一考であろう。