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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

白川日銀総裁発言に注目!更なる追加金融政策は懐疑的?

今週は感謝祭ウィークで市場参加者の激減が予想される中、市場は本日にも緊急開催されるユーロ圏財務相会合への期待感からユーロドルを買い戻す動きが広がっている。その中、ペロシ米下院院内総務(民主)が富裕層増税を含まない財政合意は受け入れられないとした上で12月半ばまでには合意の可能性を示したことにより、米財政の崖問題がやや後退したことを好感し、NYダウは急反発しており、株高・円安含みの展開を強いられている。

一方、ユーロ圏財務相会合において、一部報道がユーロ圏は440億ユーロの対ギリシャ支援を暫定的に承認される公算が高いと伝えている。また、ギリシャの債務再編に関しても、ドイツが民間保有のギリシャ国債の半分について、1ユーロにつき0.25ユーロで買い戻すことを提案しているとも報じられるなど、相対的にユーロの追い風になっており、ユーロドルは、一時1.28台を回復しているが、同時に、ポジション縮小と共にも戻り売りが優先されており、上値の重さが意識されている。

他方、ドル円は、一部報道で総選挙後に自民党が政権に復帰する可能性が高まる中、自民党が日銀法改正を検討していることが伝わり、81円台前半で底堅い展開を見せている。反面、急ピッチな上昇に対する警戒感は否めず、より一層調整色を強めている。現状では、本日の日銀決定会合では大きな政策変更はないとの見通しであるが、その後の白川日銀総裁の記者会見において、白川日銀総裁が今後の金融政策の方針を如何に打ち出すかが注目されており、当面、ある程度の乱高下を想定した上で逆張り待機志向で臨むことが一考であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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