円安も小休止!マイナス金利導入に過剰期待?
衆議院が解散され12月16日の投開票へ向けて、本格的に選挙モードに突入している。その中、市場は自民党の安倍晋三総裁がマイナス金利の検討を望む考えを示したことに反応し、ドル円は今年2月以来の円安水準まで下落している。市場は、とりあえず、安倍晋三首相誕生を見込みながら、無制限の緩和措置を評価した格好で円安局面を迎えている。ただ、更なる上昇局面ではポジション調整売りが随時散見されているように、円売りは小休止の段階にある。
一方、第三極勢の旗頭である「日本維新の会」が石原・橋下両氏の下で誕生したことにより、すんなり自民党への政権交代が実現するかは懐疑的との見方も少なくない。そして、マイナス金利導入に関しては、過去にスイスなどが導入した経緯があるが、あくまでも短命に終わっているように、一時的な措置に過ぎないとの見方は少なくない。むしろ、米「財政の崖」問題やユーロ圏債務危機をめぐる懸念が更に拡大すれば、再度円買いに走る可能性は否定できず、過度な円売りにも警戒感が生じている。
一方、米議会指導部は「財政の崖」への対応をめぐりオバマ大統領と行ったこの日の協議については、具体的な内容については言及されなかったが、共和党のベイナー下院議長は「歳出削減を伴う歳入なら受け入れへ」と述べたほか、ペロシ下院院内総務は「クリスマス前には財政の崖に対する措置実施へ」と述べるなど、相対的に建設的な内容である。また、ガイトナー米財務長官も、財政問題協議中の雰囲気は良好だったとした上で「財政の崖回避への合意はすぐ近くにあり、数週間以内に合意は可能」と発言しており、相対的に
米財政問題に対する警戒感が緩和されたことを受けて、ドルを買い戻す動きも散見されている。