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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

レンジ相場は続く、日米欧、横一線のスタート台!

visually, good? 

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娘が生まれて初めて、料理をしたいと言う。おそらく、友人の影響であろうが、晩御飯を作ると言うので、即、家族会議?を。最も安全なカレーライスに決定。カロリーも考えてチキンカレーとなったが、包丁使いも危なっかしいが、時折アドバイスを入れながらも、3時間ほどで完成。本人は自己満足で久しぶりに満面の笑み。普段は飽きっぽい性格で長続きはしない。料理にでも目覚めてくれればと祈りたいですね。
そう言えば、カレーライスとライスカレーの違いが問われたときもありましたね、カレーが上であるとかライスが上であるとか、英語的にはカレーライスですが、実はライスカレーはクラーク博士が言ったとか、まあ、どうでもよい話が多いようですが、
為替市場に例えるならば、ドル円、ユーロ円とは言うが円ドル、円ユーロとは呼ばない。残念ながら、日本円を軸とした呼び名は主要通貨間ではありません。順序を変えるには通貨単位を変更するデノミぐらいしか手段はないのでしょが、為替取引の原則だけに常に円は最後に呼ばれる宿命です。カレーライスのようにゴチャ混ぜにして食すことができれば、よいのですが、為替となると消化不良の原因にもなってしまいますからね!
見た目には景気がいいアメリカですが、これから、中国料理と中東料理を食す段階では、米ドルの評価が分かれるのも仕方がありません。

●日本のゼロ金利解除に期待は集まるが、優柔不断とも言える日本政府の慎重論もあるが、それに同調しなければならない日銀、最終的には米国の顔色を窺いながらの金融政策では、はっきりとした利上げ時期が見えてこない。 
そして、ユーロ圏でもECB中銀の利上げは確実視されてはいるが、先のトリシェ総裁発言で、明確な利上げ時期が見えてこず、ユーロ圏内の経済格差を背景にすると、利上げの回数にも限定的な見方が浮上している段階である。一方では、米ドル金利の打ち止め観測も払拭できない段階であるが、強い米ドル維持を念頭に、弱みは見せられない米国であり、利上げを前面に押し出す金融政策は拭いきれないところであるが、反面、利上げによる米ドル離れ阻止にも限界が見え始めているのも否定は出来ない。
日米欧の金利格差は歴然としているが、今後の日米欧の利上げ期待も含めて、横一線のスタートラインに立っている感があり、限られたレンジ相場の動きに反映されているマーケットでもある。上記のように金利動向を主役にした為替相場が続くものと判断するが、再度、原油高によるインフレ懸念と地政学的リスクの浮上と米国の取り巻く環境は楽観視できず、一触即発ムードも高まりつつある。米ドルの上昇は限られてはいると判断し、常に急落リスクを想定しながらの対策と相場感が要求される。
▲本日発表される米貿易収支も、いつものように650億ドル台の巨額な赤字が予測され、米ドルの上値を抑えることは確実であり、基本的な米ドルショートを勧めるが、ドル円は118円台半ば以上のショート、ユーロドルは1.21前後の買いでなければ妙味も少ないと判断する。
昨日発表されたWHO世界貿易機関の2005年度統計に示されているように、原油価格の上昇理由があるにしろ、米国の貿易アンバランスが拡大しており、当面は貿易赤字の削減見込みはなく、他国の貿易黒字を批難する状況下では、総じて、米ドル安を想定することが賢明である。
いずれにしても、米貿易収支の赤字にも慣れっこ状態ですが、目安は600億ドル割れと700億ドル越えで、ざっくりとした相場感の方が賢明でしょう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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