政局混迷の中、円売りに一服感?
本日にも衆議院が解散される見通しである.シナリオ的には12月16日の選挙後には自民党政権が誕生、安倍自民党総裁が首相に返り咲く可能性が高いが、安倍氏がデフレ脱却と円高対応ついて、日銀と政策協調し大胆な金融緩和を行うとの思惑から円売りが加速している。特に、政策金利に関して、マイナス金利の可能性に言及したことが円売りの動意付けになってはいる。ただ、マイナス金利導入ともなれば、過剰流動性を背景にして、為替市場のみならず、債券市場、そして、株式並びに商品市場などへの影響が計り知れないだけに、現時点では現実味に乏しい話題と言わざるを得ない。
一方、ドル円81円台では利益確定売りや実需売りが一巡しており、尚も底堅い展開が予想されるが、反面、市場は急ピッチの円安進行に警戒感も出始めている。安部氏の発言による円売りが一過性に終わる公算が高いだけに、当面、ドル円81円台からのロングは自重し、80.50〜81.50のレンジ幅を駆使しながら、同レベルからの逆張り志向で待機することが一考であろう。
他方、米国の財政の崖によるドル売り、そして、欧州の財政危機によるユーロ売りがあい混じるなか、今回の円売りが加わったことで、為替相場はより混迷を極めている。昨日もバーナンキFRB議長が講演で雇用見通しの著しい改善をみるまでは長期金利を下げる行動を継続する旨を言及しているが、既に、先のFOMC声明で強い緩和姿勢を強調している関係もあるが、市場は全く材料視していないように、いずれの通貨も直近のレンジ幅で待機姿勢を強めることが得策無難であろう。