ドル円着々と80円台足固め?
昨日、野田首相が16日解散を表明したことから円売りが進行、ドル円は80円台を回復すると同時に、クロス円も軒並み上値を追う展開になっている。ただ、ドル円80円台では随所に利益確定や実需の売りが散見される中、欧州財政危機と共に米国の財政の壁が意識される中、リスク回避の動きが加わり、やや伸び悩みの兆候を示している。
一方、米国ではFOMC議事録において、財政の崖をめぐる不透明性と欧州情勢が向こう数ヵ月間で米成長を抑制するとした上、多くの調査対象企業は「財政の崖」で雇用と支出を遅らせていると言及している。その中、米株式市場ではNYダウ平均が一時200ドル超下落するなど財政の崖に対する警戒感は根強いことを示唆している。そして、オバマ大統領は、6070億ドルの増税および歳出削減が自動的に始まる「財政の崖」を回避するため、議会と赤字削減策での合意を取り付けようとしているが、明日の民主・共和党との最初の協議は難航するとの観測があり、財政の壁への警戒意識は高まる一方である。
他方、ユーロドルは値ごろ感と共に一時1.27台後半まで買い戻されていたが、依然として、ギリシャ並びにスペインに対する支援策をめぐって混迷を極めており、一方的な上昇には繋がってはいない。それ故に、相対的に戻り売りが市場のコンセンサスになっているのが現状であり、再び1.28台台の上値の重さが意識されている。