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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

過度な円買い・ドル買いにも一服感!戻り売り優先?

ギリシャが今週末16日にも50億ユーロの国債償還を迎える予定であるが、既に、同国の現金準備は枯渇しているとの報道が伝えられている。そして、本日開催されるユーロ圏財務相会合においても、ギリシャの公的債務を持続可能な水準とすると判断できないとし、最終決定は、今月末にも実施が持ち越されるとの噂が絶えず、依然として、予断を許せない状況にあり、ユーロは一時1.27割れまで続落するなど、上値の重い展開を余儀なくされている。

一方、米国ではオバマ大統領の再選後も財政の崖に対する懸念は根強い中、オバマ大統領は、財政に関して、更に協議を重ねると発表しているが、依然として、富裕層への減税延長なら拒否権を発動する姿勢も見せている。ただ、ベイナー下院議長(共和党)は富裕層への減税打ち切りは雇用創出には結びつかないと反対姿勢を示唆しており、協議に向けての難航が予想されるなど、米欧共に課題が山積している。それ故に、相対的なリスク回避の動きが強まると共に、市場は逃避通貨の円買いに傾斜せざるを得ない環境にある。

他方、シカゴIMM通貨先物市場では、米ドルが主要通貨に対し、2カ月ぶりに買い越し額に転じている。ただ、円ショートは3週連続で増え続けており、また、ユーロも67千枚まで膨れている現状を踏まえると、投機筋による一方的なドル買いにも違和感が生じており、過度なドルロングにも警戒が必要であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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