繰り返されるリスク回避の動き!賞味期限切れ?
米大統領選挙は最終的にはオバマ大統領の圧勝劇で終えたが、同時に行われた議会選挙では、これまで通りに上院が民主党、そして、下院が共和党となり、議会のねじれ現象には変化は見られず、市場は年末から年明けに行われる「財政の崖」の議論問題に注目が集まっている。現時点では、歳出対策などをはじめてとして、かなりの難航が予想されるため、相対的に投資家のリスク回避の動きが早まると共に、ドルを買い戻す動きに繋がっている。
一方、欧州圏では、欧州連合(EU)の欧州委員会が、ユーロ圏の2013年経済成長率見通しを0.1%と、前回5月に予想した1%から下方修正、また、ドイツについても従来の1.7%から0.8%と引き下げたことが嫌気される中、ドラギECB総裁が欧州経済の弱さを指摘したこともユーロ売りを助長させている。ユーロドルは一時1.27台前半まで下落したものの、ギリシャの追加緊縮法案が可決との報道が伝わり、一応下げ渋りの状況になっているが、引き続き上値の重い展開が意識されている。
他方、米国の財政討議や欧州の債務危機へと向けられる中、NYダウが312ドルほど急落、相対的にリスク回避の動きが早まると共に、株安・円高に圧された格好で円買い志向が強まっており、ユーロドルと同様に上値の重い展開を強いられている。ただ、幾度となく繰り返されている動きでもあり、極端なリスク回避の円買いには繋がる可能性は低く、下値は限定低と判断することが一考であろう。