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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米大統領選挙待ちで様子見強まる!動意づいてからの逆張りに妙味?

本日の米大統領選を目前にして、市場は様子見モードに突入している。その中、G20財務相・中央銀行総裁会議が閉幕、財務相らは会議終了後の声明で界経済の回復の遅れを強く懸念している。米国に対しては、6070億ドル規模の税負担増と強制的な歳出削減である「財政の崖」に直面していることに言及、日本に対しは、対国内総生産(GDP)比237%にある債務水準の抑制に向け一段の措置を講じるよう促し、そして、欧州には銀行監督一元化などの新たな危機対策を先延ばししないよう求めている。ただ、想定内の声明文との見方から市場の反応は限定的になっている。

一方、米大統領の支持率に関しては拮抗しているものの、概ね、オバマ現大統領が優勢との見方が支配的になっているが、大統領選と同時に実施される議会選挙でのねじれ現象が継続される可能性が高く、財政の崖の議論が更に激化するとの見通しから、ドルロングを継続する難しさがある。ただ、米雇用統計などを含めて、足元の米経済指標の改善が見られている関係上、過度なドルショートにも警戒感が強まっており、米ドルの一進一退の展開が避けられない情勢にある。

他方、ユーロ圏では第2次ギリシャ支援策が見込まれる中、EU当局者が月内には合意される見込みではあるが、12日のユーロ圏財務相会合で合意に至らない可能性があることを指摘したため、引き続きギリシャの支援対策が混沌としているとの思惑を背景に、リスク回避によるユーロの戻り圧力が強まっている。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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