スペインの失業率は過去最悪の水準に上昇する中、スペインの銀行は国内総生産（GDP）第3四半期の0.4％下落したことが嫌気され、スペイン経済を取り巻く環境が更に悪化することが懸念されている。IMFは「スペインは金融セクターの改革において重要な進展を遂げていると述べてはいる一方、ショイブレ独財務相はギリシャに関しては何も決まっていないが、ギリシャがユーロに留まることが出来るよう望むとしている。総じて、不透明感は否めず、ユーロドルは1.3000台を維持できずに下落基調を強めている。

一方、ドル円は明日の日銀による追加緩和期待から円安の動きを背景に、一時ドル円を約4カ月ぶりに80円台へと押し上げた格好であるが、既に、明日の日銀の追加緩和策も概ね織り込み済みになっており、その中、輸出企業の実需や短期筋のポジション解消売りを伴い、80円台を維持できず、79円台半ばまで押し戻されている。ただ、本邦の貿易赤字拡大や政局不安が重なり、潜在的な円売り志向が顕在化しているため、下値は限定的と見なした方が無難であろう。

他方、相次ぐ米企業決算では景気の先行き不透明感が燻る状況であるが、本チャート上においては、ドル円・ユーロドルなどの主要通貨に様子見シグナルが点灯しており、現時点では、見極めの時期に差し掛かっている。少なくとも来週末に控える米雇用時計の動向を確認するまでは動きにくい展開が予想されるだけに、直近のレンジ幅で逆張り待機で臨むことが得策であろう。