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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロドルがスピード違反、米ドルはエンジンブレーキ作動、そして日本車待ちの相場へ?

マーケットは二転三転して、つかみ所はない相場ですが、難易度は高い相場ですね。最近では著名な円安論者も円高論者に変身しており、嫌な予感と不吉な予感が同居している?
ポジショントークが大半でしょうが、専門家が安易にドル円100円割れや135円の円安を平然と唱えるのには呆れるばかりですが、すでにボケが始まっているのか、それとも単なる目立ちたがり屋なのか、どちらかであることは間違いないようです。

●ユーロドルの独歩高により、他の欧州通貨にも波及しているが、円に対しては限定的な米ドルである。日米欧の金融政策が問われている状況下で、明日のECB理事会においても、ユーロ圏の経済回復を基調にした金利の引き上げ論が高まることが予測され、5月に向けての利上げ示唆が濃厚なだけに下値も堅調になっていると言える。そして、中国の外貨準備保有高が世界1位になった背景もあるが、追い討ちを掛けるように、中国及び中東筋の米ドル依存から米ドル離れへシフトの可能性が強まっており、タイミング的にもユーロドルの避難通貨の要素が前面に押し出されている市場ではある。しかしながら、ドル円のこう着状態を見る限りは、ユーロドルの上昇度合いにも一服感と、利益確定の売りが散見されても不思議ではなく、1.22台半ばからのロングには慎重に対処したい。相対的には買われすぎの傾向は否めず、1.22台後半の売りを推奨する。買いは1.22割れでなければ妙味はない。
▲ドル円のゼロ金利解除は見えているものの、デフレ脱却宣言が出来る状態待ちでもあり、日本政府の慎重な姿勢がある以上は、利上げ時期に関しては、夏とも秋とも言われるが、利上げの高まり感が薄らいでいることも事実であり、現在のこう着状態にも繋がっている。総じて、円高傾向が強まる相場であるが、当面は米欧の金利が強調されるたびに、一時的な円安に傾くことを否定は出来ないため、レンジ相場の域を出ないが、117円割れの買いと、117円台後半の売りに焦点を絞るしか良策はない。
★いずれにしても、金利面からでは日米欧の格差は歴然としているが、今後の金利上昇にはエンジンブレーキが働きはじめている米経済、これからアクセルを踏もうとしているユーロ経済、そしてブレーキを踏むことを許されないが、アクセルも踏めないニュートラルの日本経済ともなれば、必然的にユーロドルの優位性が保たれる相場ではある。しかしながら、加速スピードと性能に関しては、日本車, 欧州車、そして米車の順位は不動であり、中国人民元の切り上げを含めて、貿易不均衡の是正にも配慮しなければならず、過度な円安期待は控えるべきである。
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★注 本ペットチャート上では下記のシグナル点灯中。
*ユーロドルの買われすぎによる売りシグナル1.2270点灯
*ポンドの利益確定局面1.7565売り(ポジション解消)様子見へ
*スイスフランも利益確定局面1.2900買い(ポジション解消)様子見へ
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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