リスク回避志向再燃!ユーロ戻り売り優先?
スペイン情勢が危機として進展しない中、スペインのラホイ首相が、全面的な国家救済の要請を迫る圧力があるとは感じていないと述べ、再び支援要請の有無が蒸し返されている。市場のコンセンサスも欧州債務危機問題が長期化するとの懸念が強まり、ユーロは対ドルで弱含んでいる。更に欧州連合(EU)首脳会議でスペインへの金融支援をめぐり、具体的な方針が示されなかったこともユーロ売りを助長している。
一方、ドイツのメルケル首相は、ユーロ圏の銀行監督一元化のための法整備について、今年末の期限を欧州各国政府が守れる保証はないとの認識を示し、これを受けて米10年債利回りは5日ぶりに低下、また、9月の米中古住宅販売が前月比で減少したことも米国債の買い材料になっている。そして、NYダウ株式相場は6月以来の大幅下落となっており、世界経済の減速懸念が高まると共に、再びリスク回避志向が強まりつつあり、ユーロが対主要通貨で弱含んでいる。
他方、ドル円は79円台で高止まりの様相を呈している。国民生活に影響を及ぼす赤字国債の発行に必要な特例公債法案の成立が危機として進んでおらず、日本国債の格下げ問題が再浮上している事が嫌気されており、積極的に円を買い上げる機運が削がれている。