EU首脳会議で独仏対立姿勢見せる!ユーロ上昇に陰り?
スペインの支援要請への期待感からユーロは堅調に推移していたが、EU首脳会議を控える中、EUの予算拒否権を巡りドイツとフランスの対立が鮮明になっている。メルケル独首相は選挙を控えている関係上、拒否権を行使する可能性が強いが、ユーロの中核国である独仏の溝が更に深まるとの声も少なくなく、南欧諸国の債務危機問題が暗礁に乗り上げる可能性も再浮上している。また、ギリシャにおいても、財政緊縮でデモが激化、55%の失業率を背景に、ユーロ離脱も現実味を帯びはじめており、ユーロドルは利益確定売りやポジション縮小に圧されて、上値の重い展開を強いられている。
一方、中国GDPは7期連続減速、中国当局は年内にも反発としているが、日中関係の悪化を受けて輸出が大幅減になる可能性も指摘されており、中国経済の減速感は払しょくされていない。その中、米国では、グーグルが20%減益となり、NYダウが急落、引けにかけては持ち直しているものの、グーグルが広告の媒体であるため、相対的に米各企業の収益悪化を踏まえて、米経済のリセッションに繋がる可能性が指摘されるなど、世界経済の減速懸念は依然として払しょくされておらず、リスク回避によるドル買い及びドル買い需要が強まる可能性もあり、為替相場は一進一退の展開を余儀なくされている。
他方、ドル円は日銀の追加緩和観測や日本企業による米企業買収などの報道により、円売りに繋がり易い相場環境にあり、一応の節目である79円台半ばを突破すれば、必然的にドル円80円台が視野に入るだけに、当面、ドル円は底堅い展開が予想される。