ユーロ急上昇に違和感!.1.31台からのロング自重局面?
ドイツの連立与党側から、スペインが予防的な信用枠を欧州の救済基金から得ようとすることにドイツは反対ではないと言及した事を受けて、スペインに対する楽観的な見方が広がる中、9月の米鉱工業生産指数が予想を上回ったことが好感され、相対的に安全資産としてのドル及び円買い需要が後退し、ユーロドルは1.300台を回復、その後、米格付け会社ムーディーズがスペインの格付けを一時、ジャンク級への格下げを検討していたが、現行の「Baa3」の据え置きを発表したことを受けて、ユーロドルは1.30台のストップロスを巻き込みながら、上げ幅を拡大し、結局弾みがついた格好で1.3100台に迫る展開を見せている。
ただ、損失確定買いが一巡すれば、再度、1.3000割れまでの急落も想定しなければならず、相対的に上値は限定的と見なした方がリスクは軽減されるだろう。
一方、ドル円は円売りが優勢の中、相変わらず79円台ではポジション調整売りや実需売りに阻まれた恰好で上値の重さが再認識されている。
市場のコンセンサスも今回のスペインの一連の報道で悲観論は後退しているが、ギリシャやスペインの支援要請が行われたとしても、ユーロ圏域内におけるソブリンリスクが即座に払しょくされる訳でもなく、むしろ、本格的に支援要請が実施される運びになれば、優良国であるドイツやオランダなどの財政負担増が避けられず、ユーロの信用不安が更に拡大する懸念も浮上している。それ故に、リスク回避の円買い需要は依然として根強いものがあり、当面78.50~79.50のレンジ幅で売買を模索することを勧める。