手掛かり難否めず!直近のレンジで対応?
米商務省が発表した8月の小売売上高は前月比0.9%増と、2月以来の大幅な伸びとなり、市場予想の0.7%増を上回ったことから、相対的にリスク回避の動きが緩和される中、市場はやや円売りに傾斜している。ただ、ドル円は79円台には届かず、依然として、リスク回避の円買いと円売り介入警戒を背景に狭いレンジ相場での攻防が続いている。
一方、ユーロドルは、ドイツのショイブレ財務相が、ギリシャで「国家のデフォルト」が起きることはない」と発言したことをきっかけに、ユーロドルは底堅い展開を見せてはいるが、ドル円と同様に、節目の1.300台には届かず、ギリシャ及びスペインの支援要請を見極めたいとの思惑から、ポジション調整売買が優先されており、積極的にポジションを取りづらい状況に陥っている。
他方、先進10カ国の通貨で構成される相関加重通貨指数によると、円は年初来で4.7%下落と10通貨中で最悪のパフォーマンスとなっている。ドルは2.3%、ユーロは2.45%程度それぞれ値下がりしているが、加えて、政府日銀の円売り介入期待を考慮すれば、過度な円高現象に歯止めがかかり易い相場環境にあると解釈できる。また、主要7カ国(G7)通貨のボラティリティ(予想変動率)指数は7.47%と、1週間前の7.68%から更に低下し、2007年10月以来の低水準となっているように、ユーロ圏を巡る不透明要因が明らかにされるまでは、為替相場は更に膠着度を強める可能性があり、当面、直近のレンジ幅で売買を模索することが得策であろう。