ドル円79円・ユーロドル1.3000前後で戻り売り優先?
今週はEU首脳会合を控える中、市場の関心はスペインやギリシャが支援要請に踏み切るかが焦点になっている。現時点では過剰期待感がやや先行している嫌いもあり、ユーロドルは1.3000台に対する高値警戒感から、相対的に戻り売りが優先されている。
一方、ドイツのメルケル首相は債務危機に苦しむユーロ圏諸国の経済改革に逃げ道はなく、各国がユーロを守るのを支援すると約束。また、同首相はユーロ圏が金融市場の信頼を取り戻す必要がある一方で、ドイツが危機を食い止めるための財政支援を拒否すれば、「リセッションのリスク」を生じさせると案じている。
市場にはドイツ政府への依存度を背景に、ユーロは下げ渋りの展開を見せている。ただ、スウェーデンのボリ財務相はギリシャが今後半年以内にユーロを離脱するだろうとの見解を明らかにするなど、ユーロ域内での温度差は日増しに強まっているため、ユーロの上昇局面では、どうしても、ユーロの戻り売りが優先され易い相場環境になっている。
他方、米国では企業決算が相次ぐ中、JPモルガンは住宅市場の改善を受けて、収益が大幅に改善、そして、ウェルズ・ファーゴも四半期としての利益は過去最高益となったものの、景気に対する先行き不透明感は払しょく出来ておらず、NYダウ平均株価は伸び悩みの傾向にあり、ドルを積極的に買い戻す機運には至ってはいない。その中、中国人民銀行による預金準備率引き下げの噂なども流れているように、中国経済の減速懸念も加わり、依然として、市場はリスク回避型の相場展開に左右されがちであり、仮に、政府日銀による単独介入が実施されたとしても、どれほどの効果があるかは懐疑的であるとの見解も少なくなく、ドル円の重石になりつつある。